マダニからのSFTS感染症について-1
2014年2月27日
このことについて、昨日くらいからマスコミ各局によって大きく報道されています。
2013年に国内で初めて死亡例が確認された感染症「重症熱性血小板減少症候群
(SFTS)」への注意を呼び掛けるシンポジウムが2/11に福岡で行われたことによるものです。
屋外である芝生地においても問い合わせがあろうかと思われます。
(株)東洋グリーン秋篠周太郎様から情報提供いただきましたので、転載いたします。
*大学教員、獣医師、秋篠氏による検討要旨
■検討結果
・マダニは草地や森林に生息し、体長は2mm~20mm程度。マダニは、動物が通る
と跳びかかって吸血する。数日間吸血を続けるが途中で無理に引き剥がすと牙が
体内に残る。SFTSウイルスを持つマダニが分布を広げつつある。
・SFTS感染はヒトで死亡例が発見されつつあり、2012秋に日本初の死亡例が確認
された。SFTSに感染すると有効な治療法はない。他の感染症(ツツガムシ病など)
は抗生物質などが有効。
・本件についての情報は山梨県のHPにうまくまとめられている。
https://www.pref.yamanashi.jp/kenko-zsn/documents/sftsqandaversionthree.pdf
・厚労省で2013年春から3年間のSFTS対策特定研究が開始されており、治療法の
確立が待たれる。
・芝生地で実質的なリスクは小さいものと思われる。芝生地でのマダニ被害報告
例は見つからない。
・山歩きをする人、山野を駆けまわる猟犬、野生動物に触れる場合にリスクが高
い。
・都市公園では植樹時に樹木からマダニが持ち込まれる。
・芝生校庭は、出入り可能な動物に限りがあり、刈込などをしっかり行っていれ
ばリスクはゼロに近い。
・薬剤を用いたとしてもマダニを屋外環境下で完全駆除するのは相当難しそう。
・公園や芝生校庭で遊ぶ動物のSFTS検査を行うのは一案。
・ゴルフではプレー中に芝生が人体に触れることはほとんどなく、半ズボンでラ
フや藪を歩く以外にはリスクはなさそう。プレー後に風呂に入ることもあり危険
は小さい。
・本件はリスクマネジメントとして情報のコントロール、すなわちリスクコミュ
ニケーションが大きな問題になる。今後、マスメディア、殺ダニ剤、忌避剤など
のメーカーは必要以上に危険性を訴える可能性がある。そのとき、正しい情報を
発信する必要がある。
■附記
・ゴルフ場では樹木管理などでコースマンの危険はそれなりにあるかと思います。
長袖必須です。ただ、これまでもマダニがいなかったわけでもなく、SFTS
はどの県からも見つかるので、今までと同じということです。
■有力な情報源
<国立感染症研究所HP>(★ここが一番の情報源と思います)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは
http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html
マダニ対策、今できること
http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/2287-ent/3964-madanitaisaku.html
SFTS
について医療関係者が知っておきたいこと
http://www.dcc-ncgm.info/topic-sfts/
↑これはいいデータです。
<厚生労働省HP>
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの国内分布調査結果(第二報)
について(情報提供)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20140225-01.pdf
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts.html
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html